告知君

2005 年 10月 19 日

殺るか、殺られるか

Posted by: 黒沢 In: 全て|書籍

s-yohei-kenbunroku 自称元グリンベレー、アフリカで傭兵もやってたべえ。ヒトラー研究家でもあり、フランス外人部隊の格闘技教官(らしい)。おまけに戸塚ヨットスクール支援もやってます……と、私のツボを刺激してやまない作家が柘植久慶である。

 数々の死を目撃した彼の目は冷凍食品のように冷たい光を放ち、テレビ(15年くらい前の朝まで生テレビ)で初めて、顔に似合わぬ変な喋り方を見てしまった時には心底がっくりしたものだが、高校生の頃、私のアイドルは間違いなくミスター・ツゲだった。

 死地をくぐりぬけた自称傭兵自らが記した戦場の記録……は腐る程出版されているが、柘植氏は間違いなく草分け的な存在。ただ、それがウソか本当かは諸説色々あり、真相は本人にしかわからない。

 当初、傭兵実録本を出しまくっていた柘植氏(私はほぼ全てを買いまくっていましたが)はその後、ネタが切れてしまったのか、五輪書から孫子の兵法、ベトナムマフィアからサラリーマンの独立指南まで、数百冊の本を書きまくっている。

 が、柘植氏の真骨頂はやっぱりグリンベレーだよな。というわけで、今でもうちの本棚には30冊近くの柘植コーナーが出来上がっていて、ハッと気が付いたときにはもう遅い、埃とシミだらけで売ろうにも売れず、売っても多分アレなので、死ぬまで所持しているだろう。

 特に(適当)印象深かった作品といえば「傭兵見聞録―友よ!戦場の天使たちよ」とか「グリンベレー 戦場の人間学」あたりだろう。

 特に印象深いのは、グリンベレーで教官をしていた柘植氏が生意気な黒人兵に暴言を浴びせられ、頭に来たので格闘訓練の最中、わざとその黒人を指名して脳天空手チョップをお見舞いし、頭蓋骨をずらしてやったら死んじゃった。アハハというエピソード。

 確か「訓練中の事故として処理された」とか自分で一行フォローを入れていたが、それって殺人じゃん──。と思うより先に、若き日のわたしは「かっこいい!」と感激し、チョップの練習を始めたものである。なんせ思春期ですから。

 そんな柘植氏が傭兵ドキュメント路線から離れはじめた頃に出版した「武器なき戦場 麻薬ロードをゆく」では、コロンビアだかボリビアだか(忘れた)の密林にもぐりこみ、高山病で頭が痛かったのでコカの葉を一枚摘んでかじったら、たちどころに頭痛が消えた――と、とっておきのエピソードも披露。

 そんなもん一枚じゃ効かねーし、生石灰を一緒にかじらないと何の効果もでないんだよ柘植さん。と、どっかの麻薬本でツッコミを入れられていたのはご愛嬌。

 もひとつ、柘植氏を理解するための必読書として「悪魔の報復術―イヤな奴をぶっとばそう」というイヤな本を挙げておきたい。著者は「リヴェンジ倶楽部」という謎の組織になっているが、時折、「プロレス・スーパースター列伝」における “アントニオ猪木・談” みたいな感じで柘植氏がインチキ臭いコメントを入れていて、「私を攻撃するものがいたら容赦しない。殺るか殺られるか」みたいなことを書いていた。

 つーわけで、もし、私の死体が頭蓋骨ずらされた状態で新宿の裏通りとかに転がってたら、安易に事故死扱いしないでほしい……。とか切に願いつつ、そろそろ寝ます。

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