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郷ひろみ(42)は自ら離婚に至る心境を吐露した著書『ダディ』(幻冬舎)の中で、衝撃的な数々の事実を綴っている。女優・後藤久美子(24)=写真左下=、歌手・松田聖子(37)=同右下=との関係、“友理恵の平手打ち事件”、“週刊誌、朗読事件”…。電撃離婚に至った、こうしたエピソードを詳報するー。

【ゴクミ事件】
郷と後藤は平成6年、NHKドラマ「企業病棟」で約2カ月共演。郷はこのときの心情をこう明かす。

《彼女とぼくのあいだに恋愛感情が生まれたなんてことはなく、彼女にとってもぼくにとっても、あくまで共演者のひとりという見方しかなかっただろう。とはいえ、ぼくの中に、久美ちゃんへのかすかな想いが宿ったことは否めない。それは、突然ぼくの心に出現したのだ》

撮影が進み共演者を含めて西麻布で飲むことになった2人は、偶然テーブルの下で手が触れた。《ぼくの体のどこかに、なにかが走った。つぎの瞬間ぼくたちは手を握りあっていた。(中略)みんなから見えないところで手を握りあうことが、余計にぼくの心と体を刺激した。その行為がぼくをときめかせた》

後日、郷は後藤を食事に誘う。郷は非常に疑り深い夫人の友里恵に、後藤との密会を知られないようにするため、関係者に口裏合わせを依頼、出来る限りの根回しをする。
ところが、友里恵はこの密会現場の飲食店を突き止め、電話を入れると「嘘つき」と郷に食ってかかる。郷は後藤を残して、あわてて友里恵のもとへ帰り釈明をした。

《話をきき終わった友里恵は、いきなり自分の履いていた靴を右手でとり、ぼくの胸倉を殴打した。今日、彼女の履いている靴がローファーでよかった。これがハイヒールだったらさぞかし食い込んだことだろう(中略)ぼくの打撲は2週間で完治する。が友里恵の傷はなにかのときに必ず疼く、完治はしないのだ》

後藤はこの一件の半年後の平成7年6月、F1レーサーのジャン・アレジと婚約を発表、同8年11月に女児を出産した。後藤の所属事務所では「郷さんの気持ちについては周囲は分かっていたが、一方的な思いだったと思う。当時は確かによくマネ-ジャーらを含め食事に行ったりしており、後藤にとっては兄のような存在だった。付き合っていたといわれたら多分、後藤は怒るだろう。今更という感じはするが…」と話している。

【聖子ストーカー事件】
郷が友里恵と結婚を前提に交際していた頃、破局した聖子が“ストーカー的”に郷の居場所を突き止め、誘惑めいた電話をかけてきたという。
昭和60年12月に郷がホノルルマラソンに出場するためハワイに滞在した時のこと。
当時、聖子は神田正輝と結婚、郷は慶応大学在学中の友里恵と交際中だった。深夜恋人の友里恵にすら教えていないホテルのベルが突然鳴った。電話の主は「わたし、ノリコ。忘れちゃった?」といきなり親しげに語りかけてきたという。その驚きぶりを郷は、こう記している。

《「ノリコって…、あのーっ、どちらの…」と、言いつつ、つぎの瞬間アドレナリンが噴出した。その噴出したアドレナリンが、血液の中でいきなり『お嫁サンバ』を踊りだした。ノリコって…、あの…かま…ち…のりこ…。蒲池法子? このときぼくの頭の中で『渚のバルコニー』のBGMが流れ出した。『お嫁サンバ』は流れるは『渚のバルコニー』は流れるわ、僕の頭はひとり有線放送だ。…その電話の主は、たしかに何年か前にぼくの記憶のアドレス帳から消えていった人だった。まさに、予期せぬこととはこういうことを言うのだろう。まったくどう対処していいのか、何をどうしたらいいのかわからなかった》

結局、聖子は「いま、おつき合いしている人いるの?」と切り出し、郷が「いる。結婚したいと思っている」と答えると、「そう…幸せになってね」と電話を切ったという。
この時すでに聖子との別離から1年半が経過していたが、元恋人からの唐突な電話に郷はかなり動揺し、

《とっくに吹っ切れ、気持ちの整理もついていると思った。なだめすかして忘却の彼方へ追いやったと思っていた。でもそれは、そうふるまっていただけなのかもしれないし、そのように自分にもまわりにも、そう言いきかせていただけだったのか》
と複雑な心境を綴っている。

【週刊誌、朗読事件】 
郷が二谷にローファーで胸ぐらを殴られた一件も、二人の夫婦関係を如実に表している。
事件は数年前、「週刊現代」の「私を抱いた有名人」という特集に郷の名前が挙がったことが発端だった。驚いた郷は、

《友里恵の目にその記事を触れさせないこと、しらを切り通すことをきめた》

と、戦々恐々の1カ月を過ごすことになる。早速、友里恵に電話を入れ、気付かれていないことにホッとしたのもつかの間、数日後、夫妻で行きつけの美容院でくだんの週刊誌を発見、美容院のオーナーに頼み、週刊誌をもらって捨てたという。
さらに、夫妻で利用しているクリニックで人間ドックを受けた際にも、またまた週刊誌を発見。郷はパンツの中に週刊誌を入れて外に持ち出したと打ち明け、

《勝新太郎さんの心境をとても理解することができた》

という。
その後も、郷は友里恵の行動範囲から週刊誌を遠ざけるよう画策。だが、結局約1カ月後にバレてしまい、車を運転中の郷に友里恵から電話が入り、あせったため追突事故を起こしてしまったという。そして、罰として同じ日に、

《西麻布の交差点近くの車の中で、『週刊現代』の記事を友里恵の前で、大きな声で2回ほど朗読させられた。それで許してくれた。寛大だ。寛容だ》

と記している。

【平手打ち事件】
家庭内での二人の“力関係”をよくあらわしたこんなエピソードもある。
郷が芸者クラブで遊んで帰った夜、義母の白川由美(61)と友里恵らが待ち構える自宅に郷が帰った。玄関先で、さっそく白川が郷の肩に口紅がついていることを発見。
すると段取りよろしく、白川は2人の子供を連れ、二階に消える。郷と二人っきりになった二谷は「ひろみさん、いま正直にほんとうのことを言えば許してあげるから。ほんとうは女がいたんでしょう」と切り出した。

《なんてやさしんだろう、許してくれるなんて。この機会を逃したら二度と本当のことは話せなくなるだろう。信頼を取り戻す、信用を回復するのはこの瞬間しかない。ぼくは、その友里恵の許してあげるからという言葉を信じて、しつけ糸で仮止めされていた口を開いた》

ところが、郷が「ごめんなさい、いまし…」と言い終わる前に二谷はいきなり平手打ち。

《アレーッ、許してくれるって言ったじゃない。だからほんとうのことを言ったのに…》

と郷は、ぼう然。二谷の一発はかなり強烈だったらしく、

《…でも口の中が少し切れているかもしれない、ちょっとだけ血の匂いがした。やはり、身長が167センチもあれば腕っぷしもかなり強いのかもしれない。…ボクサーはムリだ、ぼくには》

と結んでいる。







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