大丈夫だったの? 国勢調査



 三月三日から十二日まで、カンボジア全土で国勢調査が実施された。1962年に実施されて以来、なんと36年ぶりのことである。国勢調査が行われるまでには、テレビやラジオ、各種パンフレットなどを使った啓蒙作戦が大々的に行われた。参考までに、学校で配られていたマンガ入りのパンフレットから、一部を紹介しよう。

 ‥‥皆さんこんにちは。国勢調査について私たちで話し合いましょう。見てください。誰か、国勢調査がどういうものか答えられますか?。

 国勢調査は子供や大人、男性や女性の調査のために行われ、将来の役に立てます。また人々の生活状態を知るためにも大切です。

 先生!、国勢調査をカンボジアで行ったことはありますか?。

 世界中に国は沢山ありますが、どんな国でも五年から十年に一度は国勢調査をしています。カンボジアでは1962年に行われました。私たちの国では新しく調査を行い、情報を整えなくてはなりません‥‥。

 このような内容で、各層の人々に理解を求めていた。

 しかし、今回カンボジアの北東部都市(モンドルキリ、ラッタナキリ、ストゥントレン、クラチェ)を独自に調査してみると、字の読み書きが出来ない人々も、ほとんどは学校に行った子供からパンフレットを貰い読んでもらってはいるものの、読んでいる子供自体が国勢調査の意味を理解していないケースが多く、また、調査している調査員のほうにも問題を感じる。

 自分の年齢を聞かれても分からず、ましてや子供の生年月日など知るはずもなく、適当な大体の年齢と生年月日を答える親たち。そして親と子供の名前が同じであったり、文字が書けないため名前の綴りを言うこともできず、そこは調査員が適当に帳尻を合わせることもある。

 不在の人がいたため、後ほど再調査すると言い残したまま、二度と姿をみせなかった調査員の話などザラである。これで本当に大丈夫なのだろうか。大丈夫なんでしょうね。きっと‥‥。



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