幼児・生き地獄(94.12.2)

 先月24日「幼児が母親から虐待されている」との通報が、ナコンシタマラート県警に入った。

 警官が現場に到着すると、すでに多くの村人が集まっており、家の中からは子供の泣き叫ぶ声が聞こえる。呼び鈴を押したが応答がなかったため、ドアをこじ開けて侵入したところ、中には二歳になる女児ファーちゃんが床に倒れて泣いており、頭部はなにか堅いもので殴られたらしく、傷口がぱっくり開いていた。さらに口が腫れ上がり、左右に裂けていたほか、左腕も骨折したままなんの手当てもされておらず、全身アザだらけであった。あまりの悲惨な姿に皆声も出ず、ファーちゃんは急ぎ病院に運ばれた。

 この残忍な母親ウィパラット・パックディチョン(20)は、警察が踏み込んだ時には既に姿を消していた。

 ウィパラットは数年前にある男性の二号になったが、その男性は本妻との仲が悪かったため、実際にはほとんどウィパラットのところで生活しており、子供一人を設けるまでになっていた。

 しかし最近男性が本妻とよりを戻し、ウィパラットのところにほとんど姿を見せなくなってしまった。このためウィパラットは悔しさと怒りのため、自分の子供に八つ当たりをするようになっていった。ウィパラットはファーちゃんが泣くと、両手を口に突っ込み無理矢理上下に引っ張ったため、口の両端は深い裂傷となっていた。

 この虐待は一ヶ月前から続いており、隣人らは何度も止めに入ろうとしたが、性悪女ウィパラットの仕返しを恐れてなにもできずにいた。しかし先月24日、頭部を鈍器で痛打されたファーちゃんが、あまりの痛さに狂ったように泣き叫んでいるのを見た隣人らは、もう我慢ができなくなり警察に通報、ファーちゃんはこの生き地獄から解放されることになった。

 一方、ファーちゃんの容態でだが、ケガもひどかったが、なによりも女性を見るとおびえるなど、精神面で異常をきたしており、この面での治療にかなりの時間を必要とするだろうと、治療にあたった医師は報告している。