恐い鶏泥棒?を逮捕(93.2.7)

 近所の鶏を盗んできては、殺して血や肉を生のままで食べる息子の異常な行動に耐えられなくなった母親が、警察に届け出るという事件があった。

 七日午前八時、ウドンタニ県ナムソム郡サマキー区に住むホン・トンムアンさん(55)が、息子サナン(35)が村中の人に迷惑をかけているので捕まえてほしいと郡警に訴えた。ホンさんの話によると、農業を営む彼女のたった一人の息子サナンは、幼少のころから無口で一人でいるのが好きだった。その性格は今でも変わらず、黙々と畑仕事をしてきた。

 ところが数カ月前に畑から戻ってきたサナンは、母親が台所に置いておいた鶏を生のまま食べてしまった。それ以来、裏庭で飼っていた鶏が一羽、二羽となくなり、いつの間にか一羽もいなくなった。

 鶏の羽根と内臓は近くの畑で発見されたが、誰の仕業かわからなかった。その後、近所の家の鶏も同じように次々と盗まれていったため、村中で大騒ぎになり泥棒探しが行われるようになった。ところが事件三日前、水牛飼育係りの少年が、村長宅から盗んだ鶏をサナンが口を赤く染めて食べているのを目撃した。サナンは恐ろしさで震えている少年を捕まえ

「俺は村中の鶏を食べてやるんだ。そして鶏がいなくなったら、今度は人間を食べてやる

 と言って脅かした。この話は村中に広がり、村人たちはシーウィ(昔、人の肉を食べたとして恐れられた男)のような奴だとサナンを恐れ、夕方になると家に閉じこもり、外出する者はいなくなった。このためホンさんは人に危害を与えては取り返しがつかないと思い、息子を捕らえてもらうことにしたという。

 その後警察に逮捕されたサナンは、夜中に鶏を盗んでは食べてきた。生肉の方が美味しいので病みつきになったと犯行を自供した。警察では精神に異常があるとして、サナンを精神病院へ送ることにした。