世界一悲惨な家族(94.10.21)

 ウタラジット県からの報告によれば、悲惨を絵に描いたような姉弟に住民からの同情が集まっているという。

 今月21日、同県ピチャイ郡に住むワーリーウィスットソポンさん(50)が、孫のソンセン・ティムチェンちゃん(13)、ワァンチャイ・チェムチェン君(3)を連れ、服役中の父親チン・チェムチェン(46)のところに面会を求めてきた。

 チンは覚醒剤を十錠所持していた罪で懲役三年の実刑判決を受けている。自供によれば、この覚醒剤はチンの経営する建材店で働く大工に飲ませるため、買い置きしていたもの。

 その後、妻のサヤムチェムさんは二人の子供を養うため働きに出ることになった。そして九月中旬、草刈りの仕事を請け負っていたところ、あろうことかその雇い主に強姦され、それが原因で気がふれてしまった。そのため今はチェンマイ病院に入院している。

 養育者のいなくなってしまった二人の姉弟は、生活費を自分たちで稼ぐしかなくなり、極貧の生活を送るはめになってしまった。

 今回父親に面会したのは、この事実を知った県福祉局がこの姉弟の境遇を少しでも改善しようと乗り出したことを父親に知らせるためで、ソムチュア副県知事は二人の姉弟に面会、二千バーツと日用品を手渡すとともに、救済策を講じることを約束している。

 勉強が大好きな小学校六年生のソンセンちゃんは大学まで進むことを強く希望していたが、父親はあと二年間刑務所、母親も退院のメドが立っておらず、進学をなかば諦めていた。そのためピシット県小学校局局長はソンセンちゃんに授業料免除の特典を与え、進学を援助することを決定している。